日本料理には、カイセキ（会席、懐石の意）料理のほか、天ぷら、うなぎなどさまざまな料理があります。それらを提供する日本料理店や料亭、旅館、ホテルなどで、調理の腕をふるうのが、日本料理調理人です。一般的には、板前と呼ばれます。食材を最大限に生かしながら、おいしく、美しく、安全な日本料理をつくります。

　素材を生かした調理法が多く、いかに素材の生の味を引き出すかが、ポイントになります。材料の切り方、下ごしらえ、味付けや火加減など、毎日の調理をとおして知識を蓄え、技術を磨きます。味覚だけでなく、器に盛られた美しさも大切にします。

　職場に入ると、最初は見習の下働きです。先輩の仕事を手伝ったり、調理の様子を見ながら基本的なことを学びます。

　食材の名前や扱い方、食器や料理の名前なども覚えます。見習い期間は、規模によって違いがあります。最低２〜３年、一人前と言われるには、10年程度の経験が求められます。

　職場を変えて修業する場合も多く、職場を紹介する施設があります。

　勤務は、早朝の仕込みから夜の後片付けまで長時間働く場合があり、職場によっては、交代で勤務します。