ガンは、通常の細胞が、突然変異を起こして発生する病気ですが、早期に発見すると治る確率が高くなります。

　病院や検査センターなどに勤務して、医師の指導のもと、患者の身体細胞の標本を作り、細胞検査を行い、ガンの早期発見に努めるのが、細胞検査士です。臨床検査技師のうち、ガンなどの細胞診を専門に行う者です。

　細胞検査士は、医師が内視鏡検査やガン検診などで採取した粘液や痰などの中に、「ガン細胞があるか」を調べるために、まず、採取された細胞を、アルコールなどを使って標本にします。

　次に、標本の細胞を、染色液で細胞質、核などに色分けし、正常な細胞かガン細胞かを見分けやすくします。

　そして、標本細胞を、顕微鏡を用いて見て、「ガン細胞かどうか」を判断します。これを細胞診といいます。

　標本の中の何十万という細胞に、「ガン細胞が含まれていないか」、絶対見落とさない様に、根気強く丹念に調べます。顕微鏡は、細胞検査士にとって最も重要な道具です。

　ガン細胞を発見した場合は、ガン細胞のタイプなどを用紙に記入し、細胞診の専門医とともに確認します。

　それを元に、医師が、診断結果となる報告書を作成します。

　細胞検査士は、高倍率の顕微鏡によって、ガン細胞に迫り、人の命を救うために、冷静に細胞を見つめます。