医師が患者を診断・治療するには、患者の体の様々なデータを調べる必要があります。これらの検査を医師の指導のもと、医師に代わって行なうのが臨床検査技師です。臨床検査には、患者の体に直接測定器をつけ医学的情報を取り出す「生体検査」と、患者の検体を分析する「検体検査」の二つがあります。

　「生体検査」には多くの種類があります。例えば、脳波検査は患者の頭に電極をつけて脳の様子を調べる検査。心電図検査は、心臓の動きに異常がないかを調べる検査。エコー検査は、心臓や内臓の様子を超音波を使って調べる検査です。直接患者の体に触れる「生体検査」は、医師と臨床検査技師だけが行える検査です。「検体検査」は多くの分野があり、患者から採取した血液や細胞などを、遠心分離器や顕微鏡などを使って分析・検査します。例えば、「微生物学的検査」は、検体から細菌やウィルス等を培養によって検出し、病気の原因を追求します。「病理学的検査」では、がんなどの組織片を取りだし標本を作ります。「生化学的検査」は化学反応を利用し、糖尿病等の病気の程度を調べて医師の診断・治療に協力します。

　日進月歩の医学の発展に伴い、新たな検査項目が常に追加されるので、臨床検査技師は最新の分析機器を使いこなす努力が必要です。そのため職場では、最新情報を学ぶ勉強会が日常的に行なわれます。また、患者と接する場面も多く、コミュニケーション能力も必要になります。