私たちの心をささえてくれる緑ゆたかな森林も、人間がきちんと管理しなければ、荒れ果てて減少し、災害の原因にもなります。専門の土木技術と知識を生かして美しい森林を守る、それが、森林土木技術者の仕事です。

　遊歩道や休憩施設などを整備した森林公園の計画が進められている場合などは、その森林を管理する国や地方自治体が、建設コンサルタント会社に調査を依頼します。建設コンサルタント会社で働く森林土木技術者は、数人のチームで森に入り、地形の測量や、生息している動植物など、現地の状況を細かく調べ、調査結果を報告書にまとめます。そして、国や地方自治体に出向き、現地の状況をくわしく報告します。

　それを受けて、国や地方自治体の側で働く森林土木技術者が、調査結果をもとに、どのような施設をどのような場所に建設するのがよいかなど、工事の計画を立て、必要な予算や建設期間などを決めます。そして、工事が始まると、現場に立ち会い、施設などが、設計図通りに、確かな品質に仕上がっているか、などを確認します。

　また、国や地方自治体の発注で、災害を受けた森林の復旧工事をおこなう現場などでは、建設会社に所属する森林土木技術者が働いています。安全に、効率よく工事をするため、作業者を指導・監督し、工事のすすみ具合や、決められた通りに仕上がっているかなどを確認し、工事に関するすべてをくわしく記録に残します。